
CDG空港ターミナル2
成田発エールランスAF275便は定刻通り16時半にパリシャルルドゴール(CDG)空港ターミナル2Eに到着しました。CDG空港は1974年出来た頃ターミナル1を見た時は、搭乗エスカレーターと到着エスカレーターが空中でクロスするなどこれがフランスデザインの未来の空港かと強く印象に残ったものです。
その後80年代に入り登場したターミナル2は、当時は主に近郊フライト発着のコンパクトで直ぐに搭乗できるターミナルとして便利だった記憶があります。確か、搭乗ゲートがターミナルから離れて連絡バスのように飛行機まで移動する珍しいシステムもありましたね。
その後の変遷を知らないので、とても大きくなっているターミナル2にびっくりです。それでも連絡通路あたりのチューブのような壁はターミナル1と同じポール・アンドリュー(Paul Andreu)設計を感じさせるものがありました。

マルセイユ行きはその葉っぱのような大屋根の先端の ゲートでした。出発が40分遅れになり搭乗口前は人で混雑している中、多くの人が黙々とスマホを操作しているのが2つ目のビックリです。フランス人もいつの間にか日本人と同じになってしまった様です。こちらも負けじと空港の無料Wi-Fiに接続にすれば、メールもネット電話も、日本に居るがごとき。遅まきながら本当に便利な世の中になったものだと実感じました。
マルセイユへのフライトは左窓側席。眼下に有名な水道橋ポン・デュ・ガールが見えてくるとプロヴァンスにやってきたと実感します。そしてマルセイユ・プロヴァンス空港に着いたのはもう夜の9時近くでした。
ここから今日の宿のホテル”コルビジェ”があるユニテ・ダビタシオンまでは、普通なら、空港バスで市内のマルセイユ・サン・シャルル駅まで出てそこから地下鉄、路線バス利用と思います。しかし、今回はチェックインが遅くなる事、またこの日はその時間帯にホテル近くのヴェロスタジアムでユーロ2016の試合があり移動手段は予め確保しておいた方が安心と思いホテルまでのタクシーをWebで予約しておきました。いくつかのタクシー会社に問い合わせた中で“City Airport Taxi”がHPもしっかりしていて料金が一番安かった(64ユーロ)のでここにしました。
到着したターミナルホール4はそんなに大きくもなく名前のカードを掲げて出迎えてくれていたタクシー運転手はすぐに見つかりました。
出迎えのタクシーは新しいプジョーです。運転手はそれを自慢するかのように高速に入るとビュンビュンと飛ばします。途中、ザハ・ハディド(Zaha Hadid)設計のCMA CGMタワーが目に入ってきてあっという間に過ぎていきました。

CMA CGMタワー
旧港の下をくぐりホテル近くになってくると、試合が終わり市内に向かうサポーターの流れに交通規制がかかっています。でも運転手はあらかじめ迂回路を調べていたのでしょう、要領よく裏道を抜けてユニテ・ダビタシオンのエントランス前に着きました。タクシーのメーターは土曜日夜間の割り増しも含まれるのでしょうか100ユーロを超えていましたがメーターは関係ないとの事で料金は予約の64ユーロでした。予約しておいて正解でした。

ベロドーム(ユニテの屋上から)
エントランスもきれいで思ったより古びていません。スーツケースを押して中に入っていくと奥の受付から管理人らしき人が出てきて「ホテルかい?3階だよ。」エレベータまで案内してくれました。赤いエレベーターです。住民らしき人も乗ってきました。まだ明るいけど、とっさに昔の感覚を取り戻して「こんばんは」と言うと、ニコッと。早くホテルにチェックインしないとばかり思っていたところに、ユニテが暖かく出迎えてくれました。

ユニテ・ダビタシン エントランス
ところでフランスで3階と言うことは日本では4階だなと理解しようとしたのですが、実は8階なのですね。エレベータが止まる廊下がある階の3番目。屋上は9階と言っていましたが、これは19階相当です。実際の高さを気にしないのがユニテスタイルでしょうか。
因みにその構造の類似で紹介されることがある日本の広島基町高層アパートのエレベータ表示は2、4、6階と実際の階通りです。蛇足ですが、最近国立現代建築資料館で開かれていた設計者:大高正人展で基町高層アパートの図面にモジュロールがちゃんと書かれているのを発見。やはりコルビュジエにつながっていたのですね。実は私も短期間ですが1970年頃この建設現場にいたのでほんのちょっと繋がっているかも?
さてその3番目で降りると、エレベータの前、小さな案内板がホテルとレストランの入口を指さしています。よく見るとレストランのバーカウンターのそばにホテルのレセプションディスクがあります。予めホテルにレイトチェックインをメールしたら、「遅くなったらホテルは閉まっているのでレストランに声をかけてくれ。」との事ですこし心配でしたが、ホテルもレストランも同じことであることがわかりました。この夜は近くのベロドームのユーロ2016の試合に合わせて、レストランより特別メニュの案内を受けていましたが 間に合わずその騒ぎの余韻だけが残っていました。
ルームキーをもらって部屋に行く途中、廊下で住民の方々の集合ポストが目に入りました。鮮やかな黄色、とても印象的でそれだけでユニテに来たと感じさせるものでした。ホテルコルビジェは地元の、ユニテの中のプチホテルです。
