
Villa Mediterrrance
マルセイユではユニテの見学に時間を割きましたが、それでも旧港周辺の現代建築も幾つか見ました。これらは建設時期から”マルセイユ・プロバンス2013欧州文化都市”のイベントに合わせて作られた建築と思われます。
・MuCEM ヨーロッパ・地中海文明博物館 Rudy Ricciotti
・Villa Mediterrrance Sterano Boeri
・Miroir Ombriere Norman Foster
・FRAC マルセイユ現代美術センター 隈研吾
MuCEM(ミュセム)の網の目のような奇抜な外壁は写真で見る限りあまりに好きではありませんでした。それでも隣のサン・ジャン要塞との対比、そばの海面の光との干渉を見るとなるほどと思えてきました。やはり周りの歴史的環境、空気を感じながら実際にそこに立ってみないとわからないものです。ここの野外照明の美しさは照明関係では注目されており見てみたかったのですが、建物の外観照明につては、今回の旅ではこの時期日が長すぎるのが災いして見る機会が限られました。この点、日が長くなってくる3月下旬~4月頃か少し短くなってくる9月頃がいろんなシーンを見には良かったかもしれませんね。

MuCEM ヨーロッパ・地中海文明博物館


Miroir Ombriere

FRAC マルセイユ現代美術センター

Villa Mediterrrance
ラ テラッセ デ ポート(La Terrasses du Port)
ところで、この日は日曜日で街中のお店やレストランはほとんどがお休み。それで目をつけたのは年中無休のLa Terrasses du Portという2013年オープンした外港そばのショッピングモールでした。延べ面積約6万m2ですから日本では中規模のモールといったところでしょうか。
ガラス壁面を多用して日本のモールでも見かけそうな外観ですが、中に入るとなんとなく日本と違います。照明においてヨーロッパでは昔からギラギラする蛍光灯は好まれなっかたなど、明るさは追わず自然光をベースに三色LEDを加味して日本にはない色合いを出していました。出店のユニクロも落ち着いた照明で日本の店とは違う印象です。そう言えば、ユニテの住居部の廊下は黒目の日本人は暗く思えましたが、こちらの人にはあの位の照度でいいのですね。

La Terrasses du Port

モール内から見える旧ドック(Les Docks de la Joliette)

エスカレーター下のLED(日本では見かけない色合い)


そしてここの一番のお勧めは地中海に面した長いオープンデッキ。少し風がありましたが右手には地中海の島々に行くフェリーその向こうにMCAタワー、そして左手には岩窟王の舞台イフ島が見えとても開放感のある眺めです。
ベンチに座ってフェリーを眺めると懐かしくこの場所を思い出しました。30年以上前ですが車でコルシカ旅行の為マルセイユにやって来た時、ここからのフェリーは当時は小さいかった事もあり車の切符が取れず、ちょうどこの辺にあった怪しい雰囲気のする駐車ヤードにおいてフェリーに乗らざるを得ませんでした。そこは当時治安が大変悪いといわれていた旧市街近くのひと気のないエリア、コルシカ旅行中は戻って果たして車があるかずっと心配でした。幸いにも?車は埃紛れにはなりながらもちゃんとタイヤも四つ付いてありました。当時の同僚のフランス人からは「本当にラッキーとしか言いようがないね。」と言われ今日の今日までそんな殺伐としたエリアの記憶しかありませんでした。そこが今日は日曜日でもあり家族つれの方々でにぎわう魅力あるエリアに大変貌しています。本来観光スポットにも近い場所ですから観光客も自然と立ち寄るのではないでしょうか。再開発による新たな人の流れはきっとマルセイユ当局の思惑通りでしょう。隣の元倉庫はユニテと同じ1952年建設です。テラスで輝ける太陽をまぶしくも見上げるにマルセイユの都市開発がその時からも脈々と今日まで続いているのを感じ取りました。
場所はFRAC近くMuCEMからも遠くなく時間があれば隣の元倉庫を再開発したLes Docks de la Jolietteも併せて訪れてみると面白いと思います。モールにはスーパー、コンビニやフードコートもあり、何かと便利です。

Les Docks de la Joliette
