フランス ル・コルビュジエと現代建築の旅

H-1.旅のおまけーフランス・地方の銘菓

ここでは今回訪れた街でお土産に買ったお菓子を幾つかご紹介します。

フランスでは、その街でしか販売されていない個性的で由緒あるお菓子があり、それらは旅のお土産に最適と思います

A.マルセイユ

☆ナベット(Navette

マルセイユと言ったら昔からナベット(Navettes)と思います。

その名の小舟の様な形は昔マリア様をプロバンスまで運んでき小舟を表し、長らく船乗りのお守りにもされてきた由緒ある日持ちのするお菓子。ほのかにオレンジの香りのする素朴な味のクッキーです。

その1781年創業の老舗Four des Navettes(フール・デ・ナベット)も日曜日はお休み。それでも本編(B-4)で紹介した年中無休のles Terrasses du Port向かいの支店は開いていました。店内の中央にはナヴェットが山の様に積まれて、丁度近所らしき子供たちが買いに来ていました。庶民的なおやつなのですね。

ユニテのホテル隣の売店でも売っており、部屋で食べればそれでまたユニテの住民気分に。でもちょっと固いのでコーヒーなどの飲み物と一緒がいいですね。お土産にすると言うより旅を味わうのにお勧めと言ったところでしょうか。

☆マルセイヨット(Marseillotes

それでナベットの他にお土産になりそうなお菓子を店内で探していたら、マルセイユヨット(Marseillotes)というお菓子を見つけました。2000年代の初めFouque夫妻が作った新しいお菓子の様ですが、お店の人の話だと、今や良く知られているマルセイユのお菓子との事。

ドライフルーツ入りヌガーをチョコレートで包んだもの。試食させてもらうといかにも南仏を感じさせる様な香りもして美味しかったのでお土産にしました。パッケージもマルセイユらしい図柄で、またマルセイユ石鹸と違って軽いので旅のお土産に向いていますね。

マルセイヨット

B.エクス・アン・プロバンス

☆カリソン(Calisson

エクス・アン・プロバンスで外せないお菓子です。アーモンドや砂糖漬けのフルーツを混ぜた生地をに砂糖や卵白を付けてひし形に焼いたものです。由来は15世紀エクスの善良王ルネが笑わない花嫁に笑顔になってもらおうと宮廷料理人に作らせた事に有るそうで、“幸福を呼ぶお菓子”と言われています。その由来、そして、ほのかにオレンジの花の南仏の香りがしてお土産に最適と思います。エクスには老舗が有りますが、実はこのカリソン、ユニテの売店でも販売していました。

カリソン

C.リヨン

☆クッサン・ド・リヨン(Cussion de Lyon

この菓子は、チョコレートとシロップのガナッシュをアーモンドのマジパンでくるんだコンフィズリー(砂糖菓子)の一種です。由来は17世紀リヨンで流行したペストが収まる様、教会に捧げられた品物に絹のクッションがあり、そこからリヨンのコンフィズリー老舗Voisin(ヴォアサン)がその形を模して1960年頃売り出したとの事です。その由来から”人の健康を祈る”お菓子とも言われ、また有名なリヨンのチョコレートがベースになっていますからお土産にも良いのではないでしょうか。

このお菓子は2015年のNHK朝の連続テレビ小説“まれ”に登場。その影響で日本での知名度が一気に上がった様です。

このVoisinのクッサン・ド・リヨン、旧市街のVoisinのお店に行かなくても、駅の売店でも形や色が様々の物がスペースを確保して置かれていて直ぐに見つけられました。

クッサン・ド・リヨン

D.バーゼル

☆バーズラー・レッカリー(Basler Läckerli

スイス・バーゼル600年の伝統を誇る銘菓を紹介します。

このレッカリーはドイツやスイスでよくあるレプクーヘン(ジンジャーブレッド)の一種です。名前の通りスイス国内でもここバーゼルでしか販売されていないそうで、蜂蜜やシナモンやナツメグなどのスパイスを入れて焼かれた独特な味のクッキーは馴染むと食べるのが癖になりそうな味です。

バーゼル中央駅の連絡通路にはLäckerli Huus(レッカリー・フース)という老舗の出店がありいろんな種類のレッカリーを販売していました。駅のお店は日曜日もオープンしているのが便利なところです。

このお菓子はグリム童話のヘンデルとグレーテルに登場するお菓子の家に使われているお菓子ですから、建築の旅としてはこれはお土産として押さえておかなければいけませんね!?

バーズラー・レッカリー

E.アルザス地方

☆クグロフ(Kouglof) 

今回ロンシャン礼拝堂を訪問するにあたり、近くのアルザス地方で有名なクグロフをお土産に頼まれました。

このクグロフ、帽子の様な型で干しブドウなどを入れて焼いたブリオッシュ(菓子パン)です。その起源は諸説あるようですが、マリーアントワネットがオーストリアからフランスに持ってきた説もある様です。ベルフォールのライオンを見る為に駅からの往復の道で探してみました。本来ベルフォールはアルザスではありませんが近くなのでひょっとしてあるかもと思っての事です。

目につくケーキ屋さんやパン屋に聞いて回ったのですが、やはり、どこも、「うちにはない。」との返事。それでもサヴルーズ川沿いのケーキ屋さんでは「土曜に作るので土曜にいらっしゃい」と教えてくれました。でもこれからパリに行くと答えると、「うちのは美味しいのに、、」と残念そうな顔。こっちの方がもっと残念だったのですが、、

そして 街のメイン通りフォーブール・ド・フランス通りのパン屋ではちょっとしたハプニング。ここもクグロフはないとの返事。でもよく見るとカウンターにクグロフに似たケーキがあります。「これは?」と聞くと、「これはクグロフではない。クグロフだったらアルザスに行きなさい。」と言われてしまいました。値札の表示を見るとKougelhopffと書かれています。これはクグロフのドイツ語名クーゲルホッフ(Kugelhopf)に近いです。何か違うのでしょうか。お店のおばさんはなんかドイツ的でクグロフと言った私には兎に角これを売る気が無いようで、またこっちもクグロフとクーゲルホッフは同じ物なのか良く判らなくなりこのクーゲルホッフは買いませんでした。「クグロフを求めて遥々やって来たのらアルザスでちゃんとしたものを買いなさい。」と言う事なのでしょうか。何かこの地方独自のプライド、気質の様なものを感じました。

ベルフォールのパン屋のクーゲルホッフ

そんな中、パリに着いた後も如何してもクグロフを手に入れたいとネットで調べたところ、パリ在住の日本人の方のブログに世界一美味しいクグロフのお店Vandermeerschがパリにあるとの書き込みがありました。しかも週末限定販売に滞在日が運よく合ったので土曜の朝早くお店に行き念願のクグロフをお土産に買いました。 

お店の中はたくさんの大小のクグロフが有り、重さによる値段の様です。干しぶどうをはじめいろんなフルーツが入っていてしっとりとして美味しいクグロフでした。ただ美味しく食べれるのは6日間との事でお土産にするには注意が必要ですね。

Vandermeersch 店内

Vendermeersch お土産の包装